「現代批評」とは東京工大でご一緒の文学仲間の吉本隆明氏らと、昭和33年に作った文芸誌です。
この写真には何故か吉本さんは写っておられません。 島尾敏雄さんも編集同人に加わっておられました。
戦争で焼けなかった恵比寿の家に毎夜若い文学仲間が集い、トリスの安酒片手に文学論を戦わせました。
2階の座敷の中央にあまりたくさんの人が集まったせいで、床がたわみ、一階のふすまがはずれて、パタンパタンと倒れたそうです。
★井上光晴さんは声が大きくて、その頃まだ一階に住んでいた叔母夫婦は、井上さんが来られると豪快な笑い声ですぐ分かった
と言ってました。
★瀬木慎一さんは美術評論家になられたので、私が大きくなってからもお会いする機会がよくありました。
★岩淵さんは子供好きで優しく大好きな編集者さんだったのですが、札幌雪祭りに行かれた飛行機が墜落し、早くに亡くなられました。
★佐古純一郎さんはキリスト者でしたので、ミッションスクールの私の中学校に講義に来られたことがありました。
その時は白髪のご老人の印象でした。
★武井昭夫さんは「輝ける委員長」と母が今でも目を輝かして称する初代全学連委員長で、彼がアジルと誰もがなびいてしまったそうです。
★ 清岡卓行さんは 「子供さんに」といつもバナナを手土産に持っていらして、そんな気遣いをなさったのは清岡さんだけだった
と母は述懐しています。
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