『三島由紀夫伝説』 新潮社 2200円
芸術選奨《文部大臣賞》受賞
昭和のまがまがしい異形の悪夢を背負って生き、死んだ天才の「仮面の生涯」・・・三島由紀夫をめぐる隠された「伝説」の謎を解く評論大作。
1993年発行
『室生犀星評価の変遷』 ―その文学と時代―
奥野健男編著 三弥井書店 1400円
室生犀星の評価を辿る。奥野健男、吉本隆明、清岡卓行、結城信一、福永武彦・・多彩な論陣で送る必携評論集。
昭和61年発行
《奥野健男 著作紹介》
『文学は死滅するか』 ―自選評論集― 学藝書林
1860円
今ふたたび、文学のあり方を問う。
「太宰治論」の著者が放つ、批評精神の真髄。
・・・・・この時代の文芸評論家は誰も今と違って、読者に自分の考えを少しでも分かってもらおうという態度で評論を書いていた。それが文芸評論家の生きがいであった。(「あとがき」より)
1990年発行
『文学における原風景』
―原っぱ・洞窟の幻想― 集英社 1200円
日本建築学会百周年記念文化賞受賞
文学者の作品には、そのイメージやモチーフを支える母体としての自己形成空間が色濃く投影されている。それは文学においていかなる意味をもつのか。文学を芸術として成立させる“原風景”を総合的に捉えるために、現代の日本人の深層に深く残り決定づけている幼年体験、原イメージを、縄文式文化の呪術的空間に求め、弥生の定着農耕文化から現代の都市空間への考察をダイナミックに展開する興味あふれる長編評論。
「原風景」と言う言葉は本書によって発表された奥野健男の造語である。
『ねえやが消えて』 河出書房新社
―演劇的家庭論― 2500円
聖女でもあり魔女でもある存在「ねえや」・・・かつての文豪達が抱いた憧憬と畏怖。彼らの文学世界と「ねえや」との関係を多彩な思考で展開する
1991年発行
1972年発行
『増補 文学における原風景』
―原っぱ・洞窟の幻想― 集英社 2260円
1989年発行
『芸術の返際』 阿部出版 (評論集上巻)
2200円
演劇、建築、音楽、美術、科学などの分野を縦軸に、そして昭和という時代を横糸に“芸術の喜び”を語った異色の評論集
1990年発行
『三島由紀夫伝説』 新潮文庫 667円(税別)
没後30年 狂おしくも詩的な魂 その伝説。
敗戦によって「世界の終末」を見てしまった男。同世代の誰彼と並走しているかに見えて、実はトラックを一周速くまわっていた天才。戦後社会への、いやしがたい敵意と、ぬきんでた悪意の「象徴」でありつづけた唯一の作家・・・。「文学の兄」と敬愛した三島由紀夫の、あまりに衝撃的な自裁。その日から二十年余の歳月をかけ「伝説」にまで醇化させた、ある「狂おしくも詩的な魂」の全貌。
なお文庫化に当たって、森孝雅氏のお手をわずらわせ、本文を約3分の2に圧縮して頂きました。(遺族付記)
平成12年発行